シャネル―人生を語る (中公文庫)
チェーホフの「大ヴォロージャと小ヴォロージャ」を読むと 何がしたいのか 何がほしいのかわからず 素っ頓狂で泣き崩れる 自分の欲に溺死する女が 敬虔な修道女との対比で書かれるので見苦しい シャネルもまた「わたしは服が好きだったのではなくて仕事が好きだった」と語った シャネルは情熱の悲劇を言い当てることができ 世界の意図を解読できたから 自分も 魅惑する女たちも充実させることができた 「知的な女は百万人に五人」わたしの知人にも嘘をついているという自覚のない嘘つき女はいるし 女性より男性に自分とは かなり異質な現象をよく理解できる才能の持ち主が多い 学問のある有名女性たちの暴言 失言も よく見たり聞いたりする やはり何もかも手に入れると限界を忘れて あらぬ所に自分らしさを表現してしまう 女性は多いのだろうか シャネルやアナイス・ニンは稀有な女性である パリについて アメリカについて 魂が宿る伝統について 時代を五感に開花させる流行について シャネル流に基本も機能も映像が浮かぶように詩的に 動かぬ証拠を焼きつけるように 明晰に語ってくれている 愛別離苦と離合集散のパリ基準をよく観察し 将来に響く勝敗を考察しつつ 流れ去る意気投合と生活様式を呼吸するかのように わがものとしていた 自分の夢を世界にちりばめたという意味で女らしく 悲惨な過去からも学ぶべきことを学び 生涯 孤高に働き続けた意味で男らしい 死後も世界中の 何もないところから たった一人で稼ぎ 養う女たちの憧れ 支えとなっているのが よくわかった シャネルの生涯がバレエなど舞台化 アーサー・カぺル ミシア ディアギレフ ウェストミンスター公らのナビゲーションによる映画化されることを期待する
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